2026年03月04日
エステーと東京農工大学、空間に漂うネコ尿臭に有効な消臭剤に関する特許を取得 ―ネコ尿臭を感じる受容体の応答を抑制するメカニズムで、空間のニオイ悩みにアプローチ―
エステー株式会社は、国立大学法人東京農工大学との共同出願により、空間に漂うネコ尿臭に対する消臭剤に関する特許を取得いたしました。
■特許取得の背景
ネコ尿臭は、ヒトやイヌの尿臭と比較してニオイが強いと言われており、その対策は重要な課題となっています。
ヒトは鼻の奥の嗅上皮にある約400種のニオイを感じとる受容体(ニオイセンサー)に、ニオイ分子が結合することで、ニオイを検知します。当社はこれまで、国立大学法人東京農工大学大学院工学研究院生命機能科学部門 福谷洋介准教授らとの共同研究により、ヒトの鼻においてトレースアミン関連受容体(※)の一種がネコ尿臭を受容していることを特定(同定)しました。そして、ネコ尿臭に対する受容体の応答を抑制する(=ネコ尿臭を感じにくくなる)成分の探索を、単一の悪臭成分を用いた従来の方法ではなく、実悪臭(実際のネコ尿臭)を用いて行い、その結果、消臭作用のある十数種の香料物質を発見しました。
本特許では、発見した十数種の香料物質のうちの一つであるアオモジ果実油が、ネコ尿臭に対する受容体の応答を抑制し、空間に漂うネコ尿臭の消臭に有効であることが新しい技術として認められ、権利化されました。
(※)トレースアミン関連受容体
鼻の奥の嗅上皮にある、アミン化合物を検知することができるセンサーの役割を持つタンパク質のこと
■本特許技術の特長
1. ネコ尿臭を感じとる受容体へのアプローチ
本特許は、空間に漂うネコ尿臭の消臭剤としてアオモジ果実油が有効であることを特長とするものです。これを示すために、ヒトの鼻の奥の嗅上皮にある約400種のニオイを感じとる受容体のうち、ネコ尿臭に応答するトレースアミン関連受容体の一種に対してアプローチしました。
2. 受容体の応答抑制による消臭のメカニズム
トレースアミン関連受容体にアオモジ果実油を添加し、空間中に漂うネコ尿臭を接触させたところ、アオモジ果実油を添加していないときと比べて、ネコ尿臭に対して応答しにくくなりました(=ネコ尿臭を感じにくくなる)。
以上の作用によりネコ尿臭の知覚を阻害し、結果として空間に漂うネコ尿臭を感じにくくさせます。本技術による消臭効果は、実際に人がニオイを嗅ぐ官能試験においても、高い消臭効果が確認されました。
エステーは、今後さらに嗅覚領域における研究開発を深耕し、家庭や様々な空間における空気の課題を解決する製品の開発を目指し、社会に貢献していきたいと考えています。
■特許の概要
特許番号:特許第7822585号 登録日: 2026年2月20日
発明の名称:ネコ尿臭受容体の抑制剤、ネコ尿臭の消臭剤、ネコ尿臭の消臭方法およびネコ尿臭抑制剤の探索方法
特許権者:エステー株式会社、国立大学法人東京農工大学