2025年03月11日
東京農工大との共同研究によりネコ尿臭を感じる受容体を特定した研究結果がInternational Journal of Molecular Sciencesに掲載
エステー株式会社(以下、「エステー」)は、国立大学法人東京農工大学大学院工学研究院との共同研究で、ヒトの鼻においてトレースアミン関連受容体※の一種がネコ尿臭を受容していることを特定(同定)し、実用的な消臭作用のある香料物質を発見しました。この研究結果が、2月13日発行のInternational Journal of Molecular Sciencesに掲載されました。
※トレースアミン関連受容体
鼻の奥の嗅上皮にある化合物のアミンを検知することができるセンサーの役割を持つタンパク質のこと
2024年8月に発表した本研究は、ネコ尿に含まれるニオイ分子を充満させた空気を受容体に曝露させる試験方法を用いることによって、ネコ尿臭がトレースアミン関連受容体の一種に受容されることを見出しました。また、400種以上の香料物質の中から、ネコ尿臭に対する受容体の応答を抑制する十数種の香料物質を発見しました。
今回掲載された論文には、このトレースアミン関連受容体に対して、さらに高い抑制効果を示す香料物質を新たに発見した内容が含まれています。
研究結果の詳細は下記をご確認ください。
Harnessing Odorant Receptor Activation to Suppress Real Malodor
環境中に存在する複数の悪臭成分の混合物として存在する、実際の悪臭(以下、実悪臭)の中には、主要な悪臭成分が特定されていないものが多く存在しています。
今回の共同研究で確立した試験方法では、主要な悪臭成分が特定されていない実悪臭に対しても、応答する受容体の探索と受容体の応答を抑制する香料物質の探索が可能となるため、今後、様々な実悪臭に対しても効果的な消臭剤の探索が期待されます。
エステーは、今後さらに嗅覚領域における研究開発を深耕し、ヒトとペットの快適な共生に向けたウェルネス製品の実装に取り組んでまいります。
●2024年8月30日プレスリリース:
東京農工大学との共同研究によりネコ尿臭を感じる受容体を特定 ―消臭作用のある香料も十数種発見―