2014年08月29日
森林総合研究所/日本かおり研究所 第12回 産学官連携功労者表彰 「農林水産大臣賞」を受賞 トドマツの枝葉を利用した空気浄化剤開発で
エステー株式会社の100%子会社である日本かおり研究所(代表取締役社長:金子俊彦)が、「第12回 産学官連携功労者表彰(主催:内閣府)」において、“トドマツの枝葉を利用した空気浄化剤の開発”の成果に対し、森林総合研究所(茨城県つくば市/理事長:鈴木和夫)とともに「農林水産大臣賞」を受賞しました。
これは、産学官連携活動において大きな成果を収めた事例に関し、その功績を称えるもので、平成15年から毎年実施されています。
受賞者の功労を称える授賞式は、東京ビックサイトで行われる「イノベーション・ジャパン2014」会場内にて9月12日に行われ、独立行政法人森林総合研究所バイオマス化学研究領域樹木抽出成分研究室長の大平辰朗氏と日本かおり研究所の代表取締役社長の金子俊彦の両氏が出席します。
「産学官連携功労者表彰」は、大学、公的研究機関、企業等における産学官連携活動において大きな成果を収めた事例に関し、その功績を称えることにより、我が国の産学官連携の更なる進展に寄与することを目的に、優れた産学官連携の事例をより多くの国民に紹介するために授賞式を行うもので、内閣総理大臣賞をはじめ、各大臣賞や日本経団連会長賞、日本学術会議会長賞など11の賞が授与されます。
また、各受賞者の内容は、「イノベーション・ジャパン2014」にてパネルの展示等がなされます。
森林総合研究所と日本かおり研究所が受賞する「農林水産大臣賞」では、両研究所がトドマツの枝葉の香り成分が有する二酸化窒素等の環境汚染物質の強力な浄化能力に着目し、その成分を空気中に揮散させることで、短時間で効果的に空気を浄化する世界に類のない画期的な技術を開発、さらにリラックス効果等も備えた多機能な空気浄化剤として商品化に成功したことが評価されました。
また、“減圧式マイクロ波水蒸気蒸留法”を世界に先駆け開発したことで、従来方式に比べエネルギーコストを1/4以下、製造コストを1/5以下に低減し、さらに抽出後の排水がないなど、これまでの問題を解消しています。
これに伴い、原料となるトドマツ枝葉の収集、成分の抽出、機能性の評価、製品開発、製品化などをそれぞれ異業種間で相補的に分担、連携するコンソーシアム「クリアフォレスト・パートナーズ」を立ち上げ、効率的な推進体制を構築しています。さらに未利用資源である枝葉を香り成分の原料として活用することで“新しい森林ビジネス”を展開し、林業、林産業をはじめとする地域経済の発展に貢献するとともに、急速な経済発展による都市部の大気汚染が深刻化する発展途上国等の環境改善に寄与するなど、一連の事業展開を図った森林総合研究所及び日本かおり研究所の功績を国が高く評価したものです。
◆科学技術振興機構/革新的ベンチャー活用開発
“トドマツの枝葉を利用した空気浄化剤の開発”は、独立行政法人 科学技術振興機構(JST/理事長:中村道治/本部:埼玉県川口市) 産学連携・技術移転支援事業である独創的シーズ展開事業 革新的ベンチャー活用開発(※)における開発課題〔樹木精油を利用した環境汚染物質の無害化剤〕(平成19年度採択)の支援を受けて実施されました。開発、企業化を日本かおり研究所が受託し、森林総合研究所が長年蓄積した樹木精油に関する基礎的な知見や技術を経済的、技術的側面から企業的規模で実証的な試験を実施し、問題点を検討した上、企業等で使用できる発展的実用技術を「クリアフォレスト事業」として実現しました。
(※革新的ベンチャー活用開発は、平成21年度から研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)実用化挑戦タイプとして再編されています。)
(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構と共に「イノベーション・ジャパン2014」を主催するJSTのブースエントランスやブース内には、日本かおり研究所のコーナーが展開され、商品や説明パネルなどを展示します。
■日本かおり研究所 ホームページ http://www.kaoriken.com/
■クリアフォレスト ブランドサイト http://clear-forest.st-c.co.jp/
記
「第12回 産学官連携功労者表彰」にて農林水産大臣賞を受賞
●事例名: トドマツの枝葉を利用した空気浄化剤の開発
●受賞者: 独立行政法人森林総合研究所 樹木抽出成分研究室長 大平辰朗
日本かおり研究所株式会社 代表取締役社長 金子俊彦
●授賞式: 2014年9月12日