マイナビ2022

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PROJECT STORY

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洗浄力 シュワッと洗たく槽クリーナー

洗浄成分が洗たく槽の中で素早く広がり、“カビ”や“菌”をしっかり除去する次世代のコンパクトな濃縮タブレットタイプの洗たく槽クリーナー。コンパクトだからこそ気になるときにサッと使えて、高い洗浄効果をもちつつ、シュワッと広がる炭酸泡によって効果実感を得られるのが特長。

INTRODUCTION

“キレイを実感”できる住まいのお掃除用品をラインナップする「洗浄力」ブランド。そのブランド力を上げる新たな商品が望まれるなか、エステーが着手したのは洗たく槽クリーナー市場での新製品の開発だった。エステーには塩素系液体タイプの洗たく槽クリーナー、「洗浄力 洗たく槽クリーナー」という既存の製品があったものの、競合が増える中、差別化が難しくなってきていた。そこで、新しい価値を持つ洗たく槽クリーナーの開発プロジェクトが発足。任されたのは、ホームケア製品を担当し始めて間もない事業部の河内と、商品開発グループの山本だった。

MEMBER

このプロジェクトに関わった人

Nao Yamamoto

R&D部門 商品開発第3グループ

2018年入社。工学研究科 応用化学専攻修士課程修了。入社から半年間、商品開発グループにて衣類ケア製品を担当し、その後の半年間は海外製品の開発業務に携わる。2019年からクリーナー製品を担当。

Tomomi Kouchi

事業統括部門 防虫・衛生事業部

2006年入社。社会学部社会文化コミュニケーション学科卒。入社後、東京と仙台での6年間の営業経験を経て、2012年にマーケティンググループ(現事業部)に異動し、除湿剤を担当する。2019年には、かねてより希望していたホームケアカテゴリーのクリーナー製品の担当となり、同時に洗たく槽クリーナーの新製品開発プロジェクトに参加。

世にない商品を生み出し
洗たく槽クリーナー市場に変化を巻き起こしたい

河内 当社で実施したマーケティング調査やグループインタビューによると、家事の中でも洗濯は「好きな家事」に分類されています。そのため、その相棒でもある洗濯機を「いつもキレイにしておきたい」という衛生意識の高まりから、洗たく槽クリーナーの使用頻度は高まっており、洗たく槽を定期的に掃除したい人が増えています。

山本 私自身、元々見えるところの掃除はマメにするほうだったのですが、実はこの商品の開発に携わるまで目に見えない洗たく槽汚れの掃除はしたことがなかったんです。でも洗たく槽が洗剤カスやカビなどで汚れていることを知り、とても気にするようになりました。洋服を洗ってキレイにする家電ですから、やはりいつもキレイにしておきたいですよね。

河内 需要は高まっているのに、洗たく槽クリーナーは高い殺カビ・漂白効果のある塩素系液体タイプと、効果感を泡や剥がれた汚れで実感することができる酸素系粉末タイプの2種類が主流のまま、目新しい商品がありませんでした。そこで新しい洗たく槽クリーナーの開発プロジェクトが始動したのですが、私は初期メンバーではなく、発足後、1年ほど経った後の参加でした。
当時私は、かねてから希望していたホームケアカテゴリーのマーティング担当になったばかり。すぐに新製品の開発プロジェクトに携わることになり、嬉しさと意欲がわきました。

山本 私も、同じころにプロジェクトに商品開発担当として参加しました。これまで既存商品をブラッシュアップしていくリニューアル業務には関わってきましたが、イチから新製品を開発するのは初めて。入社2年目でそんなプロジェクトに関われることが嬉しかったです。

河内 私たちが参加した時点で、“定期的に、かつ手軽に使用ができて、洗浄効果も効果実感も高い洗たく槽クリーナー”という基本的なコンセプトはある程度できていました。ポイントは、手軽に使いやすいタブレットタイプであること、そして、「塩素系が持つ高い殺カビ・漂白能力と、酸素系が持つ高い効果実感の良いとこどり」を実現させることでした。

山本 そこで、「炭酸泡が広がるタブレットタイプのクリーナー」にすることが決まりましたが、それ以外は深く練られていない部分が多く残っていたため、前任者のこだわりや想いを聞きながら、何度も話し合いを重ねました。

お客様目線にこだわる
ギリギリまであきらめない商品づくり

山本 苦労したのは、製品の仕様を一つ一つ具体的に決めていくことでした。お客様にとって使いやすいのはどんなモノなのか、何日も何日も悩みました。壁にぶつかった際は周りの社員と積極的に意見交換したり、ドラッグストアに並んでいる製品をたくさん買い込んで手あたり次第に使ってみたりもしました。製品を完成させるまでに何十回・何百回もトライ&エラーを繰り返しましたね。

河内 例えば、タブレットの大きさや形状です。仮に、1回あたりの使用量が大きなタブレット1つであれば、それを洗たく槽にポンと入れるだけなので簡単ですし。

山本 ところが、それだとタブレットが溶けるのに時間がかかって、炭酸泡もシュワッと出てこないため、「汚れが落ちそう!」という実感が沸きにくいんです。使用条件によっては溶け残る可能性もありますし。最終的に、1回あたりの使用量を“タブレット約30粒で64g”に決めるまで、何十パターンも試しましたね。

河内 私は当初、もっと小さな粒になると思っていましたよ。小さい方がすぐに泡が出やすいだろうと思いましたし。ただ、小さすぎると泡が瞬時になくなってしまうため、使用感が出にくい。小さければ良いというわけでもないことを知り、「なるほど」と思いました。このあたりは、山本さんとも何度も議論を重ねましたよね。

山本 そうですね。お客様目線に立ち返り、何度も議論を重ねることで、良い製品は生まれていきますからね。それにしても最初のころに作った試作品は、失敗ばかりでした(苦笑)。使用する薬剤が変われば溶けやすい形、大きさも変わりますし、タブレットの形に固める時の圧力の強さも異なります。色々なファクターが絡まりあってタブレットの機能になるので、試行錯誤の毎日でした。

河内 山本さんに試作してもらったものを見せてもらって、「これで泡が出ているの?もっとシュワワーってなるんじゃないの?」「泡が消えるのが早くない?」と突っ込んだりしたこともありました(笑)。

山本 周りの方々の率直な意見を参考にしながら何度も検討し、ようやく完成したときには1年以上かかっていましたね。

エステーだからこそできる
機動力のある商品開発

河内 もう一つ、容器は当初想定していたものから大きく変更しました。最初は、洗剤や柔軟剤と一緒に洗濯機まわりに置いて気軽に使ってもらえるプラスチックボトルの容器で、ボトルの蓋で使用量を計るものを考えていました。しかし、実際にホームユーステストをしてみると「一回一回使用量を計るのは面倒だし、うまく計れない」という意見も出てきて。そこで1回分を個包装にし、それを紙の箱の容器に3回分入れる仕様に変更しました。

山本 変更に踏み切るにはギリギリのタイミングでしたが、この製品は一般的な洗たく槽クリーナーと比べると価格が高いため、それにふさわしい見た目、質感になるよう、資材メーカ―とも相談しながら試行錯誤を重ねました。

河内 「売り場で埋もれてしまうようなありきたりなモノにはしたくない」とこだわりましたが、これまでにない新しい容器にできたと思います。また、紙の素材は“脱プラスチック”という社会的な流れにも合っており、変更して良かったと思っています。

山本 実は、商品名も何度も変更しましたね。

河内 「洗浄力」ブランドの中でも人気商品である、『洗浄力 モコ泡わトイレクリーナー』 にちなんだ“シュ泡わ”というフレーズを使用した商品名を当初考えていました。しかし、社内で「“シュ泡わ”だと、言いにくいのでは」という意見が出て、最終的には、炭酸泡の爽快感を感じる“シュワッと”というフレーズを使った商品名に変更しました。

山本 こういった過程を経て、製品をつくりあげていったわけですが、今回、新製品の開発に初めてイチから携わることとなり、苦労した部分も多々ありました。ですが、若手でもこういったチャレンジができることにやりがいを感じましたし、とても楽しかったです。 また、お客様にとって何が一番いいのかを徹底的に考え、ブレずに製品に落とし込んでいくことの大切さを実感しました。

河内 当社は少数精鋭の会社なので、商品の開発に携わるメインメンバーも私たち事業部や商品開発、その他に研究やデザインの担当者と合わせても4名ほどと多くはありませんが、何かあればすぐに集まって話し合い、軌道修正をするなど、素早い意思決定を行うことができます。また、上司や周りの社員との距離も近く安心感もあります。特に上司は、色々な相談をした際に、私たち担当者の話をしっかりと聞いた上で、「いいと思うよ」と背中を押してくれたので、心強かったですね。

山本 自分の考えをきちんと上司に説明できれば、意見を尊重してくれる社風がありますよね。だからこそ、自分の思い入れのある商品を世に出すことができます。これからも、お客様の潜在的なニーズをキャッチして、「あ、この商品いいな」と思ってもらえるような、まだ世の中にない商品を開発していきたいですね。

河内 この『洗浄力 シュワッと洗たく槽クリーナー』を機に、「洗浄力」ブランドをもっと大きく育てていきたいと思っています。エステーは「グローバル・ニッチ・No.1」を目指している会社なので、これからも、大手の競合メーカーが手を付けていないようなニッチな市場を見つけ出し、小さく生み出した市場を大きく拡げていく挑戦をし続けていきたいです。

※ 取材当時の内容です