「洗濯機のカビ汚染度に関する調査結果」について洗濯時の"洗い水"に見えないカビ汚染 洗濯機の使用年数や使用頻度とカビ汚染との相関性はなし

エステー株式会社は、（株）衛生微生物研究センター(東京都葛飾区)との共同研究で「洗濯機のカビ汚染度の調査」を行いました。この結果、洗濯機内部に発生したカビが原因で、洗濯時の洗い水にカビ汚染を引き起こすことが分かりました。
また、日常的に洗濯頻度が低いほど、洗濯機の洗い水に含まれるカビ数が多くなる傾向であることも分かりました。なお、洗濯機の使用年数と洗濯機のカビ汚染との関係については、相関性は見られませんでした。

洗濯機内のカビ汚染に関して、主要汚染カビや汚染度はこれまでに報告がなされているものの、洗濯機内に発生したカビが洗い水にどの程度放出されるかなどについては定量的に明らかになっていませんでした。
そこで、洗濯機のカビ汚染度を調査するために、各家庭で使用中の洗濯機を対象として、洗濯頻度や使用年数などの使用状況を把握するとともに、洗濯物を入れず水道水のみで空運転した後に採取した水に含まれるカビ数を測定しました。

1. 家庭で使用している洗濯機25台を対象に、水量を最低水量に設定し、洗濯物・洗剤を入れずに、水道水のみで空運転を行った後の水を採取し、カビ数を測定しました。

2. 洗濯機の使用年数や使用頻度と検出されたカビ数との相関性を調査しました。

〈調査期間〉　　2011年9月～2012年4月
〈調査対象〉　　東京近郊に住む社内モニター所持の洗濯機25台

■最高で1,000～10,000個/mlのカビを検出

１．対象となった25台の洗濯機で空運転後の洗い水のカビ数を調査した結果、1台の洗濯機から水1ml中に1,000～10,000 個ものカビが検出されました。
また、5台の洗濯機からは100～1,000個、8台から10～100個のカビが検出され、半数以上の洗濯機の洗い水からカビの検出が確認されました。
残りの11台からは検出されませんでした（検出限度10 個/ml以下）。（表１）
検出されたのはいずれも肉眼では確認できないカビで、最も多く含まれていた洗い水の検出カビ数（水1ml中に1000～10,000 個）は、"泥水"に含まれるカビ数と同レベルでした。

■カビの菌は"エキソフィアラ"

洗い水から検出されたカビの種類を調べた結果、主要カビは、家の中では水回りを始めとする湿度の高い場所に好んで生息するエキソフィアラ（Exophiala）であることが分かりました。
また、洗濯機内部に発生したカビを調べた結果、主要カビとしてエキソフィアラが検出され、洗い水の主要カビと一致しました。

■洗濯機の使用年数に相関関係なし

２．洗濯機の使用年数とカビ汚染の相関性については、使用年数が10年以上の洗濯機であっても、使用5年以内の洗濯機と同等のカビの検出率であることが分かりました。（表２）
また、週に2～3回洗濯機を使用した方が、毎日使用するよりもカビが発生しやすい傾向があることが確認されました。（表３）
この結果から、使用年数や使用頻度と洗濯機のカビ汚染は必ずしも相関性が見られないことが分かりました。

本研究において、新たに確認されたことは以下の点です。

上記の結果を受け、今後当社は、洗濯頻度と洗濯機内部のカビ汚染度に関する相関性をさらに検証していく考えです。
なお、本結果は、防菌防黴学会第39回年次大会（2012年9月11～12日、於：きゅりあん／品川区総合区民会館）で発表しています。

カビの発生要因として、温度、湿度、栄養が挙げられます。
カビの発生に最適な温度は20～30℃で、空気中の湿度が80％以上になると発生しやすいとされています。
洗濯機内は高温多湿であり、さらに衣類から持ち込まれた汚れが栄養源となるため、カビが発生するのに絶好の環境です。

洗濯機内部に発生したカビは目で確認できないため、日頃から洗濯機を衛生的に保つことが大切です。カビを予防するための洗濯機のお手入れ方法は以下のとおりです。

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