PROJECT

「ドライペット」開発物語

除湿剤マーケットのパイオニア。
お客様の幅広いニーズを具現化し、進化しつづける商品。

先行する他社製品とは異なる商品を。

1980年代、高温多湿の日本では、住宅の機密性の向上に比例し、特に梅雨時は室内の湿気やカビに悩まされている消費者の声が浮き彫りになりました。同時期に、女性の社会進出が進み、共働きのため昼間に換気ができない家庭が増え始めていた社会的背景も要因の一つでした。当社の<消費者不満度調査>においても、家庭で使用できる湿気取り商品へのニーズが高いと判断し、除湿剤の開発が検討されました。マーケティング調査により、すでに簡易式の湿気取り商品が2年前から市場に存在していたことが分かりましたが、その商品はほとんど売れていませんでした。「除湿剤は、消費者に受け入れられないのではないか」という意見もあり、一度は開発中止も検討されました。しかし、先行商品を分析してみると湿気が取れたかどうか効き目が分かりにくく、その上、価格も高い。「これらの問題を我々が解消すればきっと売れる」と判断。一気に開発に踏み切りました。

ポイントは「効き目が見える」。

「カビ対策には、湿気を取り除けばいい」。そこで、 湿気を自ら呼び込む性質を持つ塩化カルシウムに着目。 塩化カルシウムは、潮解作用(=結晶が空気中の水分を吸収して溶けること)によって湿気が水となります。塩化カルシウムを使用し、吸収した湿気がプラスチック容器にたまる構造であれば、湿気が姿を変えた水が溜まる様子が見え、効き目を実感できるはず。この「効き目が見える」アイデアは、当時ヒットしていたエステーの液体タイプ芳香剤「シャルダンリキッド」の半透明容器をヒントにしました。容器のデザインは、押入れの角に無駄なく収まる扇型とし、今までにない除湿剤が生まれました。

湿気対策のニーズはどこにある。

1981年、「ドライペット」発売。ネーミングには、「“ペット”のように家庭の中で愛される商品になってほしい」という思いを込めました。全国の梅雨前線に合わせて、九州から順次発売し、北は東北まで販売店に売り込む計画でした。しかし、出だしの九州、中四国で全く相手にされず困惑しましたが、その後の大阪では売り切れが発生するほどの売れ行きとなりました。なぜなら、地方に多い日本家屋は通気性が良く湿気に困っていなかった一方、大阪などの都市では、断熱材などを多用した密閉性の高い集合住宅が多く、湿気対策のニーズも高かったからです。その後、新興団地近くの大型販売店へ戦略的に販促を行い、ドライペットは大ヒットしました。さらに梅雨時だけでなく、秋の長雨の時期や、気密性の高いマンションでの1年を通してのニーズ、北海道においては寒い季節の暖房による結露対策として使用され、時季、地域を問わない家庭の必需品へと成長を遂げました。

消費者目線で、差別化を。

エステーが開拓した除湿剤マーケットには、次々と各社が参入してきました。他社商品も湿気を取る除湿剤は塩化カルシウムと基本性能は同じで、容器の大きさ、価格などが選ぶポイントになっていったため、価格競争が激化。そうした中、エステーは消費者の幅広いニーズをとらえ、様々な形状の商品を開発し続け、差別化を図り続けています。
例えば、塩化カルシウムに保水剤を加え、湿気を吸収するとゼリー状に変化するシートタイプを開発。ゼリー状になる様子で効き目が見え、取り替え時期がわかりやすい商品設計としました。
さらに、2004年には備長炭と活性炭を配合して脱臭機能を持たせた「備長炭ドライペット」を発売。部屋のニオイが気になるお客様の支持を集め、大ヒットとなりました。その後も、シートタイプのふとん用、ブーツ用など、多様な商品を開発しています。現在でも除湿剤のマーケットで高いシェアを誇っています。
日本の住環境に合わせて進化してきたドライペット。今後も消費者のニーズに合わせて、進化を続けていきます。