季節のくらし

少しの手間でカビやニオイを防止 梅雨を快適に乗り切るコツ

1.お出かけ編

雨の日には気分が沈みがち。ところが、ジメジメした日も工夫次第でずっと快適に過ごせます。お気に入りの傘や長靴を使ったあとは、すぐにケアしてカビやいやなにおいを防ぎましょう。少しの手間で、次に使う時も快適に。日本ハウスクリーニング協会の高橋敬子さんに、詳しく伺いました
高橋敬子さん
日本ハウスクリーニング協会
高橋敬子さん
プロフィール
高橋敬子さん

プロフィール

日本ハウスクリーニング協会
高橋敬子さん
NPO法人日本ハウスクリーニング協会理事。一般社団法人日本家事代行協会 代表理事。株式会社ピュアレディス・ライフ 代表取締役。整理収納清掃(3S)コーディネーター統括指導員。3人の子どものシングルマザーとして、掃除業界で起業。自らの経歴から、この仕事を通じて女性の社会復帰支援や子育て支援に力を注ぐと決意。モットーは働く女性の家庭内支援と、働きたい女性のやりがいある仕事の場を提供すること。
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お気に入りの雨具で気分をアップ

嫌な雨の日は、レイングッズで気分を上げるのがおすすめ。お気に入りの傘や長靴を手に入れれば、お出かけも楽しみになりそうです。長靴のムレなどが気になる人は、晴れた日でもはけるようなデザインのレインシューズもよいですね。

子ども用には傘とレインコート、長靴のセットも市販されています。最近は、ランドセルごとカバーできるレインコートも充実。雨の日も濡れる心配が少なくて済みます。

もちろん、レイングッズによって洋服やくつ下が濡れにくくなり、梅雨の時季ならではの憂鬱な気分が軽減されます。

すぐにケアして、家の中に湿気を持ち込まない

レイングッズを使ったあとのケアには、次のポイントを覚えておきましょう。

・湿気をできるだけ家の中に持ち込まない
・しまう前にひと手間かける(拭く、乾かす、除湿剤を使うなど)

これにより、家の中に湿気が籠もらず、傘や長靴のにおい・カビを防げます。

傘は水気を払い、雨が降っているうちは傘立てへ。住居の事情にもよりますが、部屋に湿気がこもらないよう、できれば外に出しておいた方がよいでしょう。雨がやんだら外で開いて乾かし、乾いてからしまいましょう。
長靴は外側の水気を乾いた布などで拭き取り、新聞紙や除湿剤などを使って中の湿気を吸い取ります。乾いたら下駄箱へしまいましょう。

レインコートも、まずは乾いたタオルで拭きます。その後干して乾かしましょう。浴室に乾燥機があるなら、ぜひ活用を。なければ玄関などに干しておきます。乾いたら畳んでしまいます。

基本は全て同じ。水気を取って、乾かして、しまうという手順でケアします。

長靴や下駄箱は、特に湿気に注意

通気性が悪い長靴は湿気がたまりやすい構造です。除湿剤などを活用して、普段から湿気対策をしましょう。

雨に濡れていなくても、この時期は湿気がこもりがちです。下駄箱には「備長炭ドライペット 下駄箱用」を入れて、湿気とにおいを防止しましょう。

2.室内編

お部屋の中にも、湿気に注意しなくてはならない場所はたくさん。特に、日当たりがよくない寝室や水気の多いキッチンは、家の中でも湿気が気になる場所。布団や押し入れ、ベッドをはじめ、シンクなどの水回りもカビが気になりはじめます。カビ防止のお手入れ方法をご紹介します。

押入れや寝具は風通しをよくする

梅雨時はカビが繁殖するために最適な環境といえます。カビは湿度、温度、栄養の3つの条件がそろうと発生するため、防止するためにはホコリや食べかすなどをこまめに掃除し、空気の通りをよくして湿気をためないことがポイントです。

特に、寝ている間に大量の汗が染み込んでいる布団は注意が必要です。起きた後に少し時間が経ってからしまうのはもちろん、可能なら押入れの戸を開けっ放しにしておいたほうがよいでしょう。すのこを使って隙間を空けておくのも大切です。

余裕があるなら、ふすまを両端10cmくらいずつ開けて、扇風機の風を送り込むとよく空気が流れます。1日1回、布団をしまったあとに風を通し、そのあとは戸を開けっ放しにしておくとよいでしょう。

雨が続いて布団が干せないときなど、布団の下に敷くだけで寝汗や湿気を取ってくれる布団専用の除湿剤「ドライペット ふとん快適シート」なども活用しましょう。

ベッドも同様に、湿気を吸っています。マットレスとベッドの間はカビが生えやすいため、ときどき片側を持ち上げて厚みのある物を挟んでおき、風が通るようにしておくとカビ発生の防止になります。

キッチンでもっとも注意すべきはシンク下、水滴が付くほどなら要注意

キッチンでもっとも湿気がこもりやすいのはシンク下です。基本的に食品を置かないようにしましょう。

キッチンの構造によっては、パイプに水滴が付くほど湿度が高い場合もあります。その場合は、こまめに水滴を拭き取り、新聞紙など湿気を吸い取るものを敷いてときどき交換しましょう。また、可能であれば、戸を開けっ放しにしておくのがよいでしょう。また、除湿剤も有効です。幅広い用途で使えるシートタイプの除湿剤なら、新聞紙の代わりに使えて効果的。除湿剤を使う場合には、戸を開けない方がよいでしょう。

シンクに黒カビが出やすいのもこの季節。排水溝のぬめりなどは、毎日食器洗いと一緒に洗うようにすれば防げます。食器洗いが終わったらスポンジを替えて、排水溝のゴミ受けと、その下にある排水溝のフタも外して洗います。毎日洗っていれば、流水でこするだけで落ちるので素手でも抵抗なくお掃除できます。

食品のダニや雑菌にも注意

湿気と温度が高くなる時季は、お好み焼き粉やたこ焼き粉の中でダニが繁殖することもあります。いったん封を開けたら、ジッパー付の袋で密封して冷蔵庫へ入れましょう。

また、砂糖や塩は、密封しない容器に入れているお宅が多いもの。中身が減ってきたら、そのまま継ぎ足すのではなく、毎回洗って雑菌の繁殖を防ぎましょう。

湿気によって味が落ちる食材には乾燥剤を

海苔や乾物、調味料などの湿気を防ぐために、密封容器の中に「ドライペット 乾燥キーパー」を入れておきましょう。効果が切れたら色の変化でわかるので安心です。

3.洗濯編

梅雨時の悩みはお洗濯ではないでしょうか。部屋干しにすると乾きづらく、においの発生も気になります。洗濯を快適に済ますにも、コツがありました。

洗濯したのに洗濯物がにおうのはなぜ?

洗濯したのに、洗濯物から嫌なにおいが……。梅雨の時季はよくあることです。

理由は、洗濯機で洗っても、雑菌や汚れがすべて落ちるわけではないから。この季節は洗濯物が乾くまでに時間がかかり、生乾きのまま時間が経ってしまい、雑菌が繁殖してにおいの原因になります。

できるだけ汚れや雑菌を落とすとともに、乾燥の時間を短縮することがにおいを遠ざけるコツなのです。

洗濯機に入れる前の一手間でにおいが軽減

どんなものも洗濯機だけで汚れを落とそうとするより、ひどい汚れは洗濯機に入れる前に落としておくのが賢いやり方。泥だらけの子ども服、雑菌が繁殖してくさくなってしまった布巾などは、洗濯前に下処理をしておきましょう。

やりかたは簡単で、お湯と酸素系漂白剤スプーン1杯ほどをバケツに入れ、汚れのひどい洗濯物を入れるだけ(※)。浴槽の残り湯を使えばより経済的。酸素系漂白剤は温度が高いほど汚れ落ちがいいので、お湯が冷めないうちが狙い目です。

※酸素系漂白剤の使用方法をよく読んでお使いください。

一晩置いて、汚れをよくすすいだあと翌日に他のものと一緒に洗濯機へ。他の洗濯物を雑菌まみれにすることもなく、衛生的です。

できるだけ早く乾かすためのテクニック

できるだけ早く乾かすことも、におい防止のポイントです。

干す際には、できるだけ隙間を空けて風通しをよくしましょう。扇風機で風を当てたり、エアコンの除湿運転も効果的。浴室の乾燥機能も活用できます。

乾燥機があれば、干す必要もなく、早く乾かせるのでにおいが気になることは少ないでしょう。また、乾燥機がなければ近所のコインランドリーを使うという方法もあります。

いずれにしても、便利なものには電気代などがかかるため、ベストなところは家庭によって違います。「早く乾かす」ための工夫を考えるとよいでしょう。

洗濯槽に残っている菌を除去!

洗濯槽のカビや菌も繁殖しやすい時季。洗濯槽のカビや菌が衣類に付着するのを避けるためにも、洗濯槽もきれいにしましょう。「洗浄力 洗たく槽クリーナー」なら、カビや菌をしっかり除去します。

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