季節のくらし

夏も安心! 食材保存のワザ、基本の保存テク


東京農業大学客員教授
徳江千代子さん
プロフィール

買ってきた食材を冷蔵庫へ入れる前にひと手間かけるだけで、より長持ちさせることができます。包み方や置き方ひとつで保存性が変わる生鮮食品。正しい保存方法を覚えておきましょう。

野菜の保存

スーパーなどで購入する野菜は、セロファンや袋で包装されているのがほとんどです。そのまま保存していると、蒸発した水分が水滴となって野菜にかかり、濡れた部分から傷んでいってしまいます。また、カット野菜は、カット数が多ければ多いほど、雑菌が繁殖しやすくなるのも注意したいところ。風味を長持ちさせるためには、できるだけ丸ごと購入し、一度に使い切るようにするのが重要です。

ブロッコリー

02_il001もっともエチレンガスを出しやすいブロッコリーは、ガスの発生源であるつぼみ(小さなつぶつぶの部分)を集中ケアしましょう。乾いたペーパータオルでつぼみをしっかりと包み、ラップで覆って、さらにポリ袋をかぶせます。自身が出すエチレンガスで、早ければ3日ほどで黄色くなってしまうブロッコリーも、こうしておけば2週間ほど保存が効きます。

レタス

02_il002すぐにしなびてしまうレタスは、水分の抜けていく芯をきっちりカバーするのがコツ。芯の下部を2、3mmスライスして落とし、断面に小麦粉か片栗粉を薄く塗って、水分の蒸発を防ぎます。最後に乾いたペーパータオルでしっかりと芯を包み、葉の部分も覆って、ラップをかければ2~3週間はもつでしょう。

キャベツ

02_il003中心から水分が抜けていくキャベツには、芯を三角形にくりぬいて、濡れたペーパータオルを詰めます。蒸発した水分を、濡れたペーパータオルが吸い、また野菜に戻してくれるしくみです。

大根や白菜などの根菜・葉物野菜

02_il004土に植わっている野菜は、生育している状態で置くのがベスト。野菜を新聞紙などに包み、根を下、葉を上にして、立てて保存しましょう。寝かせて保存するとストレスがかかり、傷みやすくなってしまいます。

おくらやきゅうり、なすなどの夏野菜

夏野菜は、冷やしすぎると低温障害を起こして傷みやすくなります。冷気が直接あたらないように一本ずつペーパータオルや新聞紙に包んで、温度の低すぎない野菜室で保存しましょう。

バナナ

バナナが黒ずんでしまうのは、皮に含まれる褐変物質・ポリフェノールが原因です。長持ちさせるためには、皮をむくのがポイント。実だけをラップに包み、冷蔵庫で保存すればOKです。

じゃがいもやかぼちゃ、玉ねぎは常温保存でOK

イモ類やかぼちゃは、涼しいところに置いておくとデンプンが分解され、より甘みが増します。まるごと新聞紙に包み、風通しがよい日陰で保存しましょう。玉ねぎは水分が多いので、ネットに入れ、風の当たる場所に吊るしておくといいですね。

そのほかの生鮮食品を保存するコツ

肉や魚や水分オフが鉄則

買ってきたトレーに入れたまま保存するのは絶対にNG。水分や血がトレーに残っているので、微生物が繁殖しやすくなります。冷蔵庫へ入れる前にペーパータオルで水分をふき取り、ぴっちりラップで包み、ポリ袋をかぶせて保存しましょう。さばいていない魚は、内臓を出して塩水で洗ってから保存するのも効果的です。

卵はとがったほうを下にする

02_il005卵の殻には無数の小さな穴が開いており、微生物が出入りしています。右図のように、丸いほうには空気の入った気室があるため、こちらを上にして保存すると、中身に微生物が入りにくくなります。ドアポケットは、振動が多く、温度変化しやすいので、パックのまま冷蔵庫の奥に入れるのがおすすめです。
また、白身に含まれるリゾチームという酵素は、菌を分解して黄身を守っています。リゾチームの働く期間が、卵の賞味期限。ゆでるとその機能は失われてしまうので、ゆで卵よりも生卵のほうが長持ちすることも覚えておきましょう。

冷蔵庫での食材保存のポイント

  • 冷蔵庫は冷気が循環するように、庫内の3分の1を空けておきましょう。頻繁な開け閉めも、中の冷気を逃す原因になります。
  • 野菜や肉などの食材にはもともと菌が付着しているため、冷蔵庫内に菌が持ち込まれて繁殖することも。庫内はこまめに掃除をして、いつも清潔な状態に。
  • 飲み物や氷、もともと風味が薄めの食材などは、ニオイ移りにも気を付けなければなりません。脱臭剤を上手に活用するといいでしょう。

  • プロフィール

    東京農業大学客員教授
    徳江千代子さん

    「食品の保蔵・加工における多様な食品機能」をおもなテーマに研究を続ける。
    野菜や果物の成分、栄養、保存方法、食品の賞味期限や保存方法等を研究。
    著書 「野菜がいちばん」(いしずえ)、
    監修書 「賞味期限がわかる本」(宝島社)、「野菜と果物を安心して食べる知恵」(二見書房)、「野菜のストック便利帳」(大泉書店)等、他多数
    「東京農業大学の野菜レシピ」(PHP研究所)
    日本テレビ「世界一受けたい授業」、TBS「はなまるマーケット」等多くのメディアに出演。