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着物を着た後のお手入れやしまい方を教えてください。

入学式、卒園式、成人式、七五三などで着物や振袖を久しぶりに着たのはよいけれど、しまい方がわからず困った経験がある人も多いと思います。1度しか着ていないからとお手入れをせずにしまったり、間違った方法で保管をすると大切な着物にカビや虫食いが発生したり、型崩れをしてしまう可能性が。今回は、着物の販売や着付けを行うさが美グループホールディングス株式会社の古野博之さんに、いつまでも美しく保つためのお手入れ方法やしまい方をお伺いしました。



しまう前のお手入れ

着物をいつまでも美しく保つためには、しまう前のお手入れが大切。湿気を取り除き、汚れを落としてからしまうことが基本です。収納する前に、ぜひ行ってほしいお手入れ方法を紹介します。

●陰干しで汗・湿気を取り除く

着物は吸水性や吸湿性の高い親水性繊維でできているため、汗や湿気の影響で縮んでしまう恐れがあります。そのため、しっかり陰干しして湿気を取り除くことが大切です。
着用後は着物用のハンガーにかけ、室内で一晩陰干します。直射日光だけでなく、蛍光灯の明かりでも生地を傷める場合があるので、カーテンを閉め、電気を消した状態で陰干ししましょう。


湿気により、袖口のちりめんが縮み、裏地の縫い目によれが生じた状態

●シミ・汚れをチェック

汗や汚れを放置したままにしておくとシミや虫食いの原因になります。タオルなどの柔らかい布でホコリを払い、シミや汚れ、ほつれがないかをチェックしましょう。特に衿(えり)や袖口、前身頃(まえみごろ)、裾、腰などは汚れが付きやすいので念入りに確認してください。

シミや汚れを見つけた場合は、できるだけ早く落とした方が生地の負担が少なく済みます。しかし、無理にこすったり手洗いをしてしまうと摩擦によって生地を傷めてしまうだけでなく、逆に汚れを広げてしまう恐れがあるので、クリーニング店や着物の販売店などの専門店に相談するようにしましょう。その際は、いつ頃の何の汚れかを伝えるとスムーズに処置してくれます。
また、汚れているように見えなくても一度袖を通した着物は汗をたくさん吸収しているものです。しばらく着用する予定がない場合は、専門店で汗抜きをしてもらうと安心です。

しわや型崩れを防ぐ着物のたたみ方

着物を長持ちさせるためには、しわや型崩れにも気を付けましょう。正しいたたみ方で収納すれば、次に着物を出した時にすぐに着ることができます。基本的に折り目に沿ってたためばOK ですが、正しい手順で行うとよりきれいに保管できます。着物に汚れがつかないよう、手を洗ってからたたみましょう。

①下半身からたたみ始めます。
襟から裾まで広げていっきにたたもうとすると大きなスペースが必要になるので、衣裳敷きやたとう紙を敷き、着物を平らに広げて先に下前身頃の脇の位置から裾までをたたむとコンパクトです。裾を広げ、下前身頃の脇の位置にある縫い目を折ってください。

②端を持ち、外側に向かっておくみと呼ばれる部分を折ります。

③左右のおくみを重ね、さらに左右の脇縫いを合わせるよう、着物を縦に二つ折りにして背中心を整えます。


ポイントは、たたみ終わった下の部分を数回たたんでまとめておくこと。そうすることで、上半身をたたむスペースを確保できます。

④上半身を整え、袖が一番下になるよう下前身頃の下に折り込みます。

⑤左右の衿を重ねた後、左右の袖付を合わせるようにたたみ、袖を身頃の上に折り返します。

⑥最後に、一番上の袖を整えれば完成です。
たとう紙や収納シートの大きさに合わせて、二つ折りもしくは三つ折りにしてつつみましょう。

カビや虫食いを防ぐ保管方法

着物はできるだけ湿気が少ない場所に保管します。たんすにしまう場合は、湿気がたまりにくい上段にしまいましょう。また、型崩れ防止のため、襟と裾の部分が互い違いになるよう交互に重ね、無理に詰め込まないようにしてください。

収納場所は、通気性のよい桐たんすに保管するのが理想ですが、プラスチック製の収納ケースなどにしまう場合は、除湿剤(B型シリカゲル)を入れるとより安心して保管できます。長期間着る予定がなければ、専用の保存パックの利用もおすすめです。

長期収納の場合、虫食いを防ぐための防虫剤も忘れずに。防虫剤は商品によって使用量や使用方法が異なるので、よく確認してお使いください。また、防虫剤の種類によっては複数の防虫剤を同時に使用するとシミや変色の原因になるので注意しましょう。詳しくは下の図をチェックしてください。

防虫剤の種類をチェック!

「しょうのう」「ナフタリン」「パラジクロルベンゼン」などのニオイがつくタイプの防虫剤を同時に使用すると薬剤が溶けてシミや変色を起こすことがあるので併用は避けましょう。一方、ニオイがつかないピレスロイド系の防虫剤は、どの薬剤と組み合わせて使用しても問題ありません。使用する前に薬剤の種類を確認しましょう。

虫干しのタイミング

保管した着物は年に数回取り出して、虫干しを行うのがおすすめです。「しまう前のお手入れ」で紹介した方法で、屋内で2~4時間程度陰干しを行い、たまった湿気をとばしましょう。
時期は、7月下旬~8月上旬の「土用干し」、9月下旬~10月中旬の「虫干し」、1月下旬~2月上旬の「寒干し」の年3回行うことが望ましいと言われていますが、難しい場合は年に1回でもOK。いずれも、晴天が続き乾燥した日に行ってください。虫干しに限らず、たんすの引き出しや衣裳箱を開けるだけでも湿気を取り除く効果があります。防虫剤や除湿剤の有効期限もチェックし、使用期限を過ぎている場合はしっかり入れ替えをしましょう。

保管の際は、しっかりとした防虫対策を

着物の防虫対策には、「ムシューダ 和服用 」がおすすめです。薄手のシート全面で1着ずつ着物をカバーし、虫食いを防ぎます。ニオイがつかないので、たんすから取り出してすぐに着られます。また、防カビ剤配合でカビの発育を抑え、カビからも守ります。防虫効果は一年続き、お取り替えシールで防虫剤の取り換え時期がわかります。

取材協力:さが美グループホールディングス株式会社 古野博之さん

さが美グループホールディングス株式会社

国内産地の商品を中心に、カジュアルきものからフォーマルきものまで、高品質でリーズナブルなきものを展開する「さが美」と、厳選した最高級のきものを提供する業界でも屈指のブランド力を持つ高級和装専門店の「東京ますいわ屋」から形成される、「きもの」専門企業グループ。