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革靴を長持ちさせるためのお手入れ方法を教えてください

せっかく買ったお気に入りの革靴も、お手入れせずに放っておくと汚れがたまって傷みも早くなります。できるだけ長く履き続けるためには、定期的なケアが大切。そこで今回は、皮革製品の修理・加工を専門に行う「彩革の匠」代表の安富好雄さんに聞いた、目からうろこのシューケア方法を紹介します。



革靴のお手入れには水を使う

革靴は「水」で洗いましょう。水は皮革製品にとって大敵だと思うかもしれません。しかし、靴も動物の皮で呼吸をしていますから、人と同じように洗ってあげなければいけません。汚れや汗を靴から浮き出してくれる水は、お手入れに必須です。正しいシューケアをしていればお気に入りの革靴を長く愛用できるでしょう。

STEP1/3 水を使って靴全体を拭きあげる

靴紐を取って汚れやホコリを軽く払ったら、早速水を使って拭いていきます。濡らしたタオルを水がしたたり落ちない程度に軽く絞って、全体をまんべんなく拭きます。このとき傷が付いている部分は水が早く染み込んで黒くなるため、色ムラが出たように見えます。しかし、全体を濡らせば、他の部分も次第に黒くなっていきます。はじめは驚くかもしれませんが、迷わずどんどん拭いてください。

濡らしたタオルで靴全体を拭きあげます。汚れが落ちにくいときは石鹸をつけて洗います。

濡らしたタオルで靴全体を拭きあげます。
汚れが落ちにくいときは石鹸をつけて洗います。

ただし、これまでにシュークリームなどの油を重ね塗りしていると、水だけでは汚れが落ちにくいことも。そのときは、濡らす前に汚れ落とし用のクリーナーで拭きましょう。
また、靴の表面を撫でてみてください。汗を吸った革靴から潮が浮き出て、手触りがボコボコしているかもしれません。こうなると水が弾かれて内部に浸透しにくくなりますので、石鹸や洗濯用の洗剤で洗ってあげましょう。革用石鹸もありますが、家にある普通の石鹸で大丈夫です。ひと通り塗ったら、濡れたタオルで拭き取ります。

靴の中も忘れずに。外側が終わったら割り箸などの先にタオルを巻いて、奥の方まで拭いてください。汗や皮脂、ホコリなどがたまっているので必ず汚れているはずです。

靴の中を拭くと、汚れでタオルが真っ黒に。

靴の中を拭くと、汚れでタオルが真っ黒に。

STEP2/3 洗った靴を乾かす

洗ったら自然乾燥させます。下駄箱には入れず、玄関に置いて陰干ししてください。新聞紙やシューキーパーも入れる必要はないです。ただし、ドライヤーやヒーターなどの熱を当てて急に乾かすと、革が硬くなるので止めましょう。

STP3/3 クリームを塗って仕上げる

乾いたら乳化性のシュークリームを塗ります。靴屋では「デリケートクリーム」という名前で、大抵がビンに入って売られています。硬いブラシの毛先に付けてゴシゴシ擦りながら靴全体に伸ばしてください。硬いブラシで強くこすったほうが、クリームが広がりやすくなります。強すぎるかなと思っても、牛革の靴は傷つかないので安心してください。クリームの色は、靴と少々違っていても問題ありません。

ブラシで強くこすりながら、クリームを靴全体にまんべんなく伸ばしていきます。

ブラシで強くこすりながら、クリームを靴全体に
まんべんなく伸ばしていきます。

最後は、えっ?と思うかもしれませんが、今塗ったクリームを落としていきます。サラシや古いTシャツなどの綿で靴全体を拭きあげましょう。余分なクリームはいりません。たくさん塗って拭き取らないでいると、すぐザラザラになってしまいます。水やタオルを使って余分なクリームを落とすこともシューケアの大事なポイントです。靴全体を拭いて余分なクリームを落としたらお手入れは完了です。

シューケアの観点からはあまりお勧めしませんが、光沢を出したいときは、油やろうが主成分の金属缶に入っているシュークリームをつま先部分に塗るとよいです。

シューケアが完了。写真左の靴には缶入りのシュークリームを塗りました。

シューケアが完了。
写真左の靴には缶入りのシュークリームを塗りました。

靴を長持ちさせるには

今回紹介したお手入れは、靴を履く頻度にもよりますが月に1度で十分です。ふだん使っていて付いた汚れを取りたいときは、デリケートクリームで磨きましょう。ただし、雨や水をこぼして濡れてしまったときは、ついでに靴全体をお手入れできればベストです。放っておくと、シミになったりカビが生えてきたりします。

また、人間の足は1日にコップ1杯分もの汗をかきます。靴の中がジメジメしていると傷みの原因になるため、普段は除湿剤を入れるなどして湿気を取りましょう。さらに毎日履き続けると傷みも早くなるため、靴は2〜3足をローテーションで使ったほうが長持ちします。個人的には5足買って正しいケアを続けていれば、靴は一生買い足す必要がないと思っています。

普段の湿気対策には、翌朝までに内側のジメジメをリセットする「ドライペット スピード吸湿 くつ用」が便利。

普段の湿気対策には、翌朝までに内側のジメジメをリセットする「ドライペット スピード吸湿 くつ用」が便利。

取材協力:安富好雄さん

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プロフィール:
革靴修理・メンテナンスの第一人者として、皮革製品の修理・加工店「彩革の匠」を運営。30年以上にわたって正しいシューケアの方法を広く伝えている。NHKの「あさイチ」をはじめ、TVや雑誌などにも多数登場。

店舗情報:
彩革の匠(さいかくのしょう)
住所:東京都台東区花川戸1-13-11 細谷ビル2階
TEL:03-3844-0222
Mail:saikaku-sho@hotmail.co.jp