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冬こそ注意! 正しい湿気のコントロールを~押入れ、クローゼットの結露を防ぐ~



「乾燥が気になる」と、自宅の部屋やオフィスで加湿器を使っている人は多いはず。けれど、いつの間にか、加湿が過剰になっているかもしれません。それが原因で、家の中で結露やカビが発生している可能性も……。建築環境学を専門とする昭和女子大学の堤仁美先生に、冬の家の湿度について聞いてきました。

人が感じる湿気の”多い/少ない”が正しいとは限らない

Humidifier
夏場に、蒸し暑く不快に感じる方は多いでしょう。もちろん湿度が高いのは事実ですが、その感覚には気温の高さも影響しています。人は気温が高いほど湿気に敏感になり、冷暖房がきいている室内のような気温では、感じにくくなることが、研究でわかっています。冬場の室内などは、周囲の湿度が上がっていても、それに気づかない可能性があるのです。
また、気温・湿度が同じでも、人によっても感じ方が違います。身体の中でも目、鼻、口の粘膜は特に湿気に敏感で、例えばコンタクトレンズをしている人は、裸眼の人と比べて、目が乾燥に対して不快に感じやすい可能性があります。また、ドライアイやドライマウス、皮膚の疾患などがある人も同様に乾燥に敏感な可能性があります。ひょっとしたら、部屋の空気には十分な湿気があるのに、こうした他の要素が影響して、「乾燥している」と感じるだけかもしれないのです。

加湿のしすぎが結露やカビの原因に

冬場には、部屋の中で加湿器を使うケースが多いでしょう。しかし、加湿しすぎると、必要以上に湿度が高くなってしまう場合があります。冬場でも、雨の日など加湿器を使わなくて済むケースもあるでしょう。
また、加湿器以外にも、冬の部屋には湿気の源があります。たとえば、テーブルの上でいただく鍋。あたたまったスープが蒸発して、部屋に水蒸気が充満します。あまり知られていませんが、モノが燃えると水分が発生するので、石油ストーブなども湿気の原因となります。
問題は、このように湿気を含んだ空気が急激に冷えたとき。冬場の室内のように、温まった空気は水分をたくさん含むことができます。反対に気温が下がると、含むことのできる水分は少なくなります。室内の空気が冷たい壁表面に触れるなどして、その温度が下がると、抱えきれなくなった水分が水滴になって空気の中から押し出されてきます。冬に窓が結露するのはそのためです。
部屋の角、北側の部屋、外壁に面しているタンスやクローゼットの中は、壁の温度が低くなりやすい場所です。また、汗など水分をふくんだ布団をしまう押入れも、結露の要注意スポットです。

こまめな換気と除湿剤で湿気をケア

部屋の中の湿度は、40~50%あれば十分と考えられます。単に「いつもと同じように」と加湿するのではなく、湿度計を置き、室内の環境を客観的に見ることをおすすめします。小さな数値の変化に、さほど神経質になる必要はありません。 研究用の湿度計でも、±5%程度の誤差はありますから。
湿気が気になるなら、適度に換気して湿った空気がたまらないようにすること。押入れやクローゼットも湿気がたまりやすいので、換気を行って空気を入れ替えます(部屋の湿度が高い場合は湿った空気を入れてしまい逆効果になるので注意)。押し入れにすのこを入れてその上に布団をおくのも、換気を促進するのに役立ちます。
こういった収納スペースには、こまめな換気と並んで除湿剤が有効です。置いておくだけで、空気中の湿気を吸収してくれます。タンスなど家具の後ろは隙間を作って空気が流れるようにしましょう。
ドラペ_押し入れ

堤仁美先生プロフィール

H12D-09906_CD昭和女子大学 生活科学部環境デザイン学科 専任講師。
お茶の水女子大学生活科学部 卒業、早稲田大学大学院理工学研究科 修了。早稲田大学助手・客員講師などを経て現職。専門は建築環境学(健康で快適な温熱・空気環境)。
博士(工学)、一級建築士。