トップページ > くらしにプラス > 空気チャンネル > PM2.5、光化学スモッグ・・・ 大気汚染に気をつけたいシチュエーション ~埼大・王准教授監修~

空気チャンネル

PM2.5、光化学スモッグ・・・
大気汚染に気をつけたいシチュエーション
~埼玉大・王准教授監修~


空気が汚れる原因は、場所や時間、季節、気象条件などさまざまです。私たちが巻き込まれそうなシチュエーションとその対策を、埼玉大学大学院の王青躍先生への取材を基に想定しました。こんなとき、あなたも気をつけた方がよいかも?

1.人気の観光地をドライブ

2015_05_01
空気がきれいな観光地でも、交通量の多い観光シーズンには要注意。渋滞時などは、道路上の排気ガスが国の基準値を上回ることが多いのです。特に、トンネルの中は狭いスペースに排気ガスが充満します。窓を閉めるだけでなく、できれば自動車用の空気清浄アイテムを活用してください。
また、加速と減速を繰り返すと、ガソリンを多く消費する分排気ガスも増え、ブレーキの粉じんが飛散する可能性も。特に、アップダウンとカーブの多い山道はその傾向が強くなります。窓を開けて風を感じたいところですが、クルマが多いときはご注意を。

2.朝、窓を開けて空気を入れ換え

2015_05_02
特に湿度の高い季節は、部屋を換気して、湿気やにおいを飛ばしたいところ。しかし、交通量の多い幹線道路沿いの住宅で、朝夕のラッシュアワーに窓を開けると、クルマの排気ガスまで取り込んでしまいます(春や秋は花粉が入ることも)。

家の前の交通量を確認して、窓を開ける時間を考えるとよいでしょう。特に、空気を汚す可能性が高いのがトラック。渋滞時は絶対に避け、できればトラックの少ない時間帯を選んでください。

3.高層ビルのビジネス街をさっそうと歩く

2015_05_03
高い建物に挟まれた空間を「ストリートキャニオン」と呼びます。谷間のように道の両側が閉ざされ、空気が入れ替わりにくくなります。
ストリートキャニオンにたくさんのクルマが走ると、逃げ場をなくした排気ガスや粉じんがたまっていきます。日ごろから、大きな道路が通るビル街で活動しているビジネスパーソンは要注意。できるだけビルの室内や空調の効いた地下道を歩くとよいでしょう。

5.真夏の日差しが強く、風のない日に野球の試合でハッスル!

2015_05_04
春と秋には、季節風の影響で大陸から飛来するPM2.5が問題になっています。夏はさほどではないのですが、代わりに「光化学オキシダント」の濃度が上がり、「光化学スモッグ」の原因になります。

日射量が多く気温が高い、さらに風の弱い日に光化学スモッグは発生します。ひどいときは、喉がチクチクしたり、目が痛くなるなどの症状も。
光化学スモッグの状況は環境省の運営する「そらまめくん」で確認できます(注意報・警報が発令されることも)。濃度が高い日は、できるだけ屋外でのスポーツを避け、室内で活動しましょう。

5.冬の風がない夜、イルミネーションの街を散策(※関東は特に)

2015_05_05
通常、気温は地表から上空に行くほど下がります。それが逆転し、地表付近の気温が上空より低い状態を「逆転層」と言います。冷たい空気の上に暖かい空気がふとんのように被さった状態。上層の空気が邪魔をして、空気が拡散しません。汚れた空気が入れ替わらず、人が活動している低層にたまって行きます。
逆転層は秋・冬の夕方から夜間、早朝に起こりやすい現象。特に関東平野では頻繁に観測されています。風のない夜の散策は注意しましょう。

子どもはPM2.5の濃度が高い空気を吸いやすい

PM2.5は地面に近いほど、濃度が高くなります。大人より、身長の低い子どものほうがたくさん吸ってしまう可能性が高いのです。
特に、春と秋には大陸からPM2.5が飛来し、日本各地で濃度が高くなる場合があります。こちらも「そらまめくん」でチェックできるので、活用してください。

大気汚染が起こりやすい条件を整理

今回挙げたのは、大気汚染に注意したいシチュエーションの例。場所や日によって、大気汚染の状況は違います。根本となる原因は下記の通りなので、ぜひ参考にしてください。

●乗用車よりトラックのほうが大気汚染の原因になります
●トンネルは環境基準値以上に排気ガスの濃度が高くなることもあります
●加速/減速の繰り返し、ブレーキ粉じんも空気が汚れる原因になります
●高いビルの谷間「ストリートキャニオン」は汚れた空気が溜まりやすくなります
●暖かい空気と寒い空気がひっくり返る「逆転層」時には大気汚染が起こりやすくなります
●晴天で気温が高い夏、風の弱い日は光化学スモッグが発生しやすくなります
●春と秋、PM2.5の濃度が上がる場合があります
●地面に近い方がPM2.5の濃度が高くなります

神経質になりすぎる必要はありませんが、大気汚染への知識を深め、空気へ意識を向けることが大切。まずは、住んでいる地域の空気を「そらまめくん」などで調べてみてはいかがでしょうか?

王青躍先生プロフィール

11埼玉大学大学院 准教授。工学博士。環境科学研究者。都市大気汚染計測、対策技術、再生可能なエネルギー開発などを行う。特に、近年、都市部花粉とそのアレルゲン物質の挙動、PM2.5などの大気汚染による花粉症への増悪、花粉症や大気汚染対策について、NHK総合テレビの「おはよう日本」をはじめ、四十数件のテレビ番組等に出演。ほか、新聞・雑誌でも研究結果が数多く取り上げられている。